観光の概念
「「楽しみ」のための旅」概念を表現する字句が、いつごろから発生し、どのように変化していったかを、「「楽しみ」のための旅」に関連する英語圏の概念がわが国に紹介されてゆく過程とあわせて概観し、その問題点を考察した。
キーワード 旅、遊覧、観光、ツーリスト、ツーリズム、travel、tour、tourist、tourism
「旅」概念と「「楽しみ」のための旅」概念
脳のエネルギー消費が大きい人類は肉食のため移動生活が常態だったが、農耕により定住を可能とした。定住社会における人の移動概念が、英語圏ではtravel、日本では「たび」、中国では「旅」を代表例として収斂していった。この移動は、兵役、納税等といった「楽しみ」とは認識しにくいものであり、漢字「旅」が輸入された時、「たび」があてられたことは容易に想像できる。またtravelの訳語が中国及び日本において「旅」があてられたことも理解し易い。
英国では富裕層が行うの旅は能動的なものとして認識されていたが、その後に一般大衆向けの受動的になった旅行を行う者が発生したとされる。この能動的なtravelを行う者(traveller)と区別して、tourを行う者をtouristとする概念が発生し、19世紀までに一般化した。
「「楽しみ」のための旅」の概念及び字句を必要とした背景には、その大衆化がある。社会経済的に「「楽しみ」のための旅」(tour)を一般の旅(travel)から分離する必要が生じ、touristを対象にする産業活動が発生したからである。
観光という言葉の語源を知ることである。語源の意味は観と光を合わせ光を観ることになる。楽しみを目的とする旅行が人間と社会への行動である。自ら好きんでいる日常生活ではない余暇活動が旅行である。ラテン語のツーリズムはトルナス巡回周送観光レクリエーションとリゾートがあってから観光が具体的に成立してきたと思う。
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