第二言語習得論講義 SLA
アイデンティティ理論と第二言語習得
言語習得は人間関係や社会的コンテクストの親点である。初めにボニー.ノートンがアイデンティティ理論(Identity Theory)を提唱し、社会的なアプローチはノートン理論であり、特にSLAで有名なのがこのアイデンティティ理論と社会文化理論(Sociocultural Theory である。
ノートンがアイデンティティ理論では、大雑把に従来の研究で「動機づけ(motivation)」ととらえられていたものを「投資(investment)」ととらえ直す、ということだった。第8章のゾルタン、ドルニイエイによる「第二言語動機づけの自己システム」を紹介しますが、問題となる現象は非常に似ている。ドルニィエイは動機づけを考える際に「その人自身」をその中心に置きました。それはノートンも同じです。両者の違いは、ドルニイエイのほうが一人の人の心理的な側面に着目しているのに対し、ノートンはその社会的側面を強調している点です。心理学では「その人自身」のことを「セルフ(self)」と呼び、社会学では「アイデンティティと呼んでいる。この2つは同じものを指しますが、「自分自身」のどの側面を強調するかによって呼び方が変わる。
ノートンのアイデンティティ理論では3つのものの関係①学習者のアイデンティティ、②第二語学習への投資、③社会的コンテクスト(特に社会的力係)である。それぞれ「化ち位置の変化」のエビソードである。
1.学習者のアイデンティティ
ここで重要な前提が3つある。
①アイデンティティは社会的なもの
日本語には存在しないアイデンティティといつ語で、馴染のない概念だそうである。
皆さんここで自分に対して「私は誰だろう?」と考えてみて下さい。「私はかなり心が広くて自然が好きで、健康だと考えたとしまょう。確かにこれも自分の説明には違いがない。しかし。この説明はどちらかというと個人の内面的な特徴(=セルフ)であって、対社会的ではない。だから、知らない人に自己紹介するような社会的な場面でもしそのように伝えたら少し変な印象を与えてしまうかもしれません。
誰に自己紹介するかによる、例えば初めて会う人に自己紹介をするならば普通は、静岡英和大学院大学.人間社会学科4年のチョチャンギと申します。などなどのこと、これはつまり英和大学院大学というコミュニティ、そして人間社会学科を勉強するコミュニティに所属している、と社会における自分のポジションを明らかにすることで自分を説明しているのである。このように社会における人間関係が様々なコミュニティに所属し、そこでどんな地位を占めるかによって社会的なアイデンティティは形成されていく。
②多め面的なアイデンティティ
以上の例のように人間は、様々側面を持ち、そのため、人の人について話す場合でも、identityと単数形ではなくidentitiesと複数形で表記する。例、カナダに移民してきたばかりの頃のマルティナ母親が子供に迷惑をかけたくない、子供たちに母親らしいことをしたい、と強く思い英語の勉強した。
③アイデンティティはどんどん変化していく
国籍を変えるのはそう簡単にはできないかもしれないが、大学を卒業したとき、所属いるサークルを変えたとき、あるは留学したとき、そういう変化は常にある。所属が変わるだけでなく。もっと細かいレベルでも友人関係に変化があったり、会社でのポジションが変化するなどもよくある。すると必然的にアイデンティティも変化していく。もしアイデンティティが時間や場所で変化しないならば、第二言語学習への投資は意味がなくなる。なぜなら、次項で説明するように、どんなに投資てもアイデンティティの変化というリターンが得られないからである。
3.2 第二言語学習への投資とリターン
ノートンによると、人が第二言語学習をしよう、つまり第二言語学習に投資をしようと考えるのは、その投資によって物質的あるいは象徴的リソースを得ることができるとわかっているからである。「物質的あるいは微的リソース」のことを、社会学者であるビエール・プルデュー(Pierre Bourdieu)は「文化資本(cultural capital)」と呼んだ。文化資本とは、それを持つことによってその社会の中で権力を得られたり社会的地位が高くなるものこと。
例えば、学歴というものは目に見えませんが、特定の社会において良い学歴を持つことで高い社会的地位のある仕事に就くことができるのなら、それは文化資本です(しかし、もし学歴があっても良い仕事に就けない社会であった場合は、そこでは学歴は文化資本ではないことになる)第二言語学習の場合でも、投資によってその人の持つ文化資本が変化することにともない社会的アイデンティティも変化していく。
第二言語学習に時間エネルギーや資金を投資し、授業を受ける。なぜなら、自分の文化資本が増すことが分かっているからである。文化資本というのは自分の社会的な力を増すもののことで、当然その人のアイデンティティにも変化が起きまる。それこそが、その人の得られる投資からのリターンである。
3.3 社会的コンテクストと権利
アイデンティティは社会的コンテクストでその行動の変化は人との関わり合いで起こる。必然的に社会コンテクストがアイデンティティの変化に影響する。
私は、昨日コミュニティ福祉学科のコミュニケーションという授業で、母国ネパールの文化紹介、日本へ留学した理由、日本でびっくりしたこと、留学し得たものと失ったもの、現在してる活動などについて少し紹介してきたが、やはり、話す権利(the right to speak)
は頃弱かった。それが、社会的立場側面の変化した経験だった。ここで、自分には話す権利がない、とあきみるのではなく、「私にも話す権利がある」と主張できたのです。このよう母語話者のように流暢でなくとも「自分には話す権利があるのだ」と主張することも第二言語能力だと思う。
考えてみよう‼︎
皆さんが、①第二言語学習あるいは生活の中に投資した文化資本を獲得し、それによってアイデンティティの変化とどんなリターンを得たか?
②話す権利、社会的コンテクストでどんな影響を受けたか?
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